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公証役場へ行けない

公正証書を作成したくとも、本人が公証役場へ行けない事情があることもあります。

そうしたときは、本人が代理人を指定し、その代理人が公証役場へ出向いて公正証書を作成することも手続きとして可能(ただし、例外もあります)となります。

なお、代理人による契約は公証人の了解を得ることが要りますので、事前に公証役場へ可否について確認しておきます。

また、遺言公正証書は、法律に定める作成の方式から遺言者本人以外で作成することはできず、病気などを理由に遺言者本人が公証役場へ行けない場合は公証人が遺言者本人の自宅などへ出張して対応します。

公証役場へ行けない

止むを得ない事情のあるときは、代理人による公正証書の作成を考えます。

代理人による公正証書作成も可能です

公正証書は、基本は依頼する本人が公証役場へ出向いて作成します。

公文書である公正証書は本人の意思で作成したことが担保されると考えられますので、公証人が、本人であること、その意思を確認したうえで公正証書を作成します

ただし、様々な事情によって、本人自身が公証役場へ出向けないこともあります。

そうしたときは、本人に代わり公証役場へ出向いて公正証書の作成に必要となる手続をする代理人を本人が指定し、その代理人で対応することも手続として可能になります

代理人よる公正証書の作成においては、代理人により作成した事実、本人以外に代理人となった者の氏名等の情報を公正証書に記載することになります。

そのため、代理人で公正証書を作成するときは、公証役場へ申し込む段階で公証役場へその旨を伝えて事前に了解を得ておくことが必要になります。

なお、契約する本人が契約相手の代理人となることは認められません。

つまり、二者間で契約をするときは、契約する権限のある二名の者が公証役場へ出向くことになります。

代理人は本人からの委任状を用意します

本人が代理人を指定するときは、本人が代理人に対し委任状を交付します。

委任状には、公正証書の作成に関する件を代理人に委任する旨を記載したうえで、公正証書で契約する文を添付します

こうすることで、委任する本人は、公正証書契約文を承諾したうえで、代理人に手続を委任したことを確認できます。

そのため、一般に、公証役場で公正証書作成の準備ができあがった段階で、委任状を準備して作成することになります。

なお、本人が作成した委任状には、本人が署名して実印を押印し、さらに印鑑証明書を添付することで、間違いなく本人が代理人を指定したこと等を確認します。

その委任状は、公正証書を作成するときに代理人が公証役場へ持ち込みます。

本人と代理人の住所が離れているときは、郵送により委任状をやり取りするため、委任状を準備できるまでに期間を要することがあります。

公正証書を作成する日程を調整する際は、そうした期間等も織り込んでおきます。

代理人が認められない公正証書

通常の公正証書契約であれば、代理人による手続きが認められます。

ただし、遺言公正証書のように、本人でしか作成が認められない公正証書もあります

遺言をする者は、高齢又は病気であることが多いことから、公正証書作成のために公証役場まで移動することだけでも大きな負担となります。

そうした場合、公証人の側から遺言者の居る自宅、施設、病院などへ出張して遺言公正証書を作成することができます。

あらかじめ遺言公正証書にする内容を打合せて決めておくことで、出張するときに公正証書を準備しておき、それを公証人が出張時に持参することになります。

出張による公正証書の作成は、出張にかかる手数料に割増し金が生じるほか、日当、旅費も加算されます

また、身分に関する離婚契約では代理人による契約が馴染まないと考えられていることもあり、代理人による離婚契約を認めない公証人もあります。

債務者の側は本人が行くことが望ましい

お金を支払う契約について公正証書を作成するときは、債務者(お金を支払う義務がある者)となる側は、本人自身が公証役場へ出向いて契約の手続きをすることが望ましいとされます

公証人が本人の支払い意思を確認したうえで公正証書を作成することは、手続きにおいて重要であると考えられています。

代理人に委任状を交付することで作成することでも手続としては可能ですが、間接的な契約手続きになります。

公正証書を作成したにもかかわらず、あとで契約者となっている本人が契約した事実、契約の内容を知らなかったという事態が生じては困るからです。

また、債務者本人が公証役場へ出向くことにより、強制執行の準備手続となる「交付送達」を行なうことができることも、その理由になります。

本人からの確認をしっかり行うこと

契約する相手が公正証書を作成することに前向きでないとき、その相手に対して「代理人で手続きできるから、委任状に印鑑だけ押してくれれば構わない」という話をしてはいけません。

公正証書で契約するうえで形式上の要件がととのっていても、契約する本人が契約することで自分が負う義務(お金の支払いなど)を十分に理解していなければ、その契約が履行されない結果となる可能性は高いことになります

契約の履行が安全に行われるようにするために公正証書を作成するという目的に沿わない結果になる手続きを行うことは本末転倒になってしまいます。

平日の作成に限られることがネックになります

公証役場は国の役所になるため、平日だけしか開庁していません。

そうしたことから、個人的な目的で公正証書を作成する際には、公証役場へ行く日時の調整が課題の一つになります。

本人が都合をつけられないときは、代理人での公正証書の作成も検討できます。

ただし、公正証書を作成することが必要になる場合とは、ほとんどが本人にとって重要な契約をするときになります。

個人で公正証書を作成することは、滅多にないことですから。

公証役場での公正証書の作成手続きは数十分程度で済みますの、できるだけ本人が都合をつけて手続きをすることが望ましいと言えます

当事務所でも公正証書の作成を多く扱ってきていますが、代理人での作成は本当にやむを得ないときだけとし、原則として本人による作成を行っています。

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